職業部では、部員の活力や関心に応じ、様々な職業の方へインタビューを敢行しております。
今回は部員よりたっくんが奈良県の女性活躍推進課のTさんとMさん(ともに女性)にインタビューをしてまいりました。
この記事では、仕事内容や、働いておられる方の生のお声をお届けします。
ぜひあなたの進路選択や働き方の参考にしてみてくださいね。
(少しややこしいですが、記事作成はヒロチャンが務めました。)
(冒頭の画像はイメージです。)
女性活躍推進課って、何をしているの?
主な活動
奈良県にある「女性活躍推進課」(以下、「女活課」と略させていただきます。)では、
主に男女共同参画と女性活躍推進の分野に取り組まれ、その中でTさん・Mさんは、女性活躍推進を担当されています。
主な仕事内容は、
・県内の女性就業率を上げる
・企業内の管理職等へのキャリアアップ
を目標に、なら女性活躍推進倶楽部の企画・運営に取り組まれているそうです。
「なら女性活躍推進倶楽部」
こちらは、県内の協賛する企業・事業所に会員となってもらい、男女問わず働きがいを感じながらいきいきと仕事できる社会を目指すためつくられた団体です。会員企業・事業所は令和4年2月末現在で128にのぼります。
会員企業・事業所に対しては、セミナーや異業種交流会を開いているとのことで、 その中の活動をいくつかピックアップして紹介していきます。
大学でのキャリア教育
奈良県内の企業には中小企業が多いです。
そのうち多くは発信力が弱いことも多いので、女活課が企業と一緒に大学講義に訪問し、「中長期でキャリアを考えないといけない」など、メッセージを発信しています。
具体的なところでは、奈良女子大と帝塚山大の講義において、県内で就職してもらうきっかけを作るために、授業を実施。10年20年先、結婚して、家族ができて・・・という際を踏まえたキャリアを考える機会をつくりだしています。
実は、
「なんとなくだけど、奈良県にいい企業がない」
というイメージを学生さんは持っておられがちだそうで、違う視点を持ってもらいたいと考えているそうです。
女性の再就職支援

奈良県は女性の就業率が全国で最も低いそうです。
そんな奈良県で、働きたいけど働けない方に向けた、再就職して頑張っている人を紹介するジャーナルを作ったり、また就職イベントを大手モールにて開催したり、といった活動も。
起業支援
ひとえに「仕事に就く」といっても、就職する選択肢の他に、起業という選択肢もあります。
県ではその支援も行っているそうです。
事業計画書の作成支援などではなく、いろいろな専門機関へ繋げる役割を務めておられます。
特徴
ここまで、多岐に亘る活動をみてきましたが、女活課ではどうやら、仕事のスタイルに特徴があるようです。
県の課単位で動いていて、決定権がある人が決めることは確かなのですが、
仕事は上から下ってくるものだけでなく、自分で企画をつくってそれを上へ持っていくということも積極的にできる風土だそうです。
これにはたっくんも「あれはダメ、これはダメという公務員のイメージと違いますね」とコメントしていました。
公務員はいわゆる「官僚」の世界で、政治の世界で決まったことを遂行していくようすがイメージとして受け取られがちだと思います。書き手の私もまた同じくです。
楽しさややりがい

Tさんからは
「人対人で、目の前に人が見える。」
「自分たちが企画したセミナーやイベントに人が来てくれる。
また、企業さんに持って行った際には、『おかげさまで会社での仕事が改善されました』など、直接声が聞ける。」
「目に見えて成果がわかる。」
といったコメントを頂きました。
Mさんは、
「先輩が主催するセミナーの準備を手伝い、無事終了させることができた際、よかったという声を会社の方から聞いた。」
「県庁の職員として、県民の生活をよくすることは大事な仕事であり、相手とする人に近い仕事につけたのは良かった。」
と話されていました。
市区町村に比べて県は住民から直接意見を聞くことはあまりないようで、そこが他課との違いのようです。
苦労したこと

Tさんはマニュアルも答えもない仕事をすることが難しいと思うそうです。
色々な人が必要としているものを見て、自分たちの持っているものも踏まえて、どんな仕事をしたらいいのか考える中で、力不足を感じることも。どの部署でもそうかもしれませんが、企業さんが今求めていることを発信する必要があるので、いろんなところにアンテナを張っておられるとのことでした。
Mさんは、ルーティンワークがとても少なく、県民の方からの様々な相談を受けることもあるため、それぞれに応じて違った対応をするのが難しいと感じられているそうです。また、元々企画する事が苦手で、求められるニーズも把握できておらず、どういった内容やタイトルのセミナーにするかについて考える事も大変だと話されていました。
中高生へのメッセージ

Tさん
「『公務員になってもいいかな』と思ってもらえたら嬉しいです。机に座ってずっと延々に作業をしているわけではないと知ってもらいたいです。公務員といっても、様々な種類があり、自分のやりたい仕事が見つかるのではないかと思います。県庁は2,3年で異動することが多いので『これをやりたい』というよりも、色々な事に興味があってやってみたい方におすすめです。」
Mさん
「私はこれをやりたいという明確なものがなく、色々な分野の仕事を経験したいと思って県庁に就職しました。国であればもっと限定的で採用される省庁の担当の業務となり、市町村となると幅は広いですが、市民の方との距離感の難しいところがあると思います。県はいいとこ取りだと感じています。やりたい事がまだ見つかっていない方は、色々なことを体験してみて、自分の可能性を見つける意味で県庁職員を目指すのもいいと思います。」
書き手ヒロチャンの感想
お二人の話を録音した音声ファイルを聞いていて、女活課・・・いやはや特徴的な事業課だなと感じながら文字起こしに取り組んでおりました。まず、公務員のイメージと違って、自ら企画をつくって上へと持っていくことができるという点。官僚制組織だとどうしてもどこかでうまくいかなくなるという話をよく聞く中で、女活課は変化している実例になるなぁと感じておりました。また、企業さんと距離感が近く、県民の方からの直接声が届きやすいというお話のところでも、仕事のやりがいにあふれているのだろうなと感じました。仕事というのは、人と人とが協力して、意義のある何かをつくりだすことだと、個人的に考えています。そう思うとき、女活課のような仕事の形態であることで、「仕事してる!自分!」という満たされた感覚を持ちながら取り組むことができるのだろうなと思いました。Tさん、Mさんとも、今回の取材を受けていただき、とてもありがたいと感じた次第です。
インタビュアーたっくんの感想
今回の取材では「色々な事をしてみたい人に県庁の職員をお薦めされていた事」が一番印象的でした。私は役所の公務員というとひたすら特定分野で働いているのかと思っていましたが、実際には技術職も含めて様々な経験を積むようになっていることを知りました。やりたい事が明確でない人にとっては、現場で働く事を通して自分の可能性を見つける機会となるのだろうと感じました。
また、私自身はイベントの主催に関心があるため、セミナーの開催といった点に心惹かれるものがありました。イベントの開催は受動的では出来ないため、能動的に動く必要があると考えられます。これまで抱いてきた「上から言われた事をするだけ」の公務員イメージと大きく違うと思いました。
Tさん、Mさん、ありがとうございました!!